はじめに
身欠きニシン…美味しいですよね。
寒さに向かうこの季節、脂の乗った身欠きニシンを使ったお料理は最高のごちそうです。
ただ、身欠きニシンを頂いたり買ってはみたものの、調理法に戸惑っていらっしゃる方も中にはおられるのではないでしょうか。
そこで今回は、身欠きニシン初心者の方のために、
身欠きにしんってどうやって食べる?もどし方 下処理 調理方法は?
と題して書いてみようと思います。
それでは早速、行ってみましょう!
身欠きニシンとは?
身欠きニシンというのは、鰊(ニシン)を干したもの。干物のことをいいます。
水揚げされたニシンは、生の状態では日持ちがしません。
冷凍技術が発達していなかった時代には、内臓や頭を取り除いて乾燥させるのが合理的な処理の仕方だったんです。
ちなみに、「身欠き」というのは、戻した干物が筋ごとに取りやすくなることから言われたらしいですね。
身欠きニシンの戻し方
身欠きニシンの上手なもどし方は、お米のとぎ汁に30分~1時間ぐらいつけておくとやわらかくなります。
ニシンは脂が多いため、乾燥中に酸化が進み過酸化脂質ができるんですね。
それが、特有の渋みや臭みの原因となっています。
ですので、戻すときはやわらかくするのと同時に、過酸化脂質を取り除くことがポイントとなります。
身欠きニシンを戻すのには、昔から米のとぎ汁が使われてきましたが、その理由としては、米ぬかには脂肪分解酵素があるうえに、酸化した脂質を吸着して取り除く力があるからです。
出来れば汁を毎日新しいものに交換しながら3~4日かけて柔らかくもどすのがいいでしょう。
ただ、私の経験ですが、急ぐときには熱湯をかけて少し時間を置くだけでも大丈夫かと。
臭みが抜けてやわらかくなり調理しやすくなるのでおススメです!
身欠きニシンの下処理の仕方
ニシンを十分にもどしたあと、腹骨を包丁ですき取り、血合い骨を丁寧に抜く作業が必要です。
というのも、ニシンの骨は鯛や鯖と同じく、背と腹の間に細かい骨が入っているからです。
また、その横(背側)に、鮭と似た骨がついていますので、こちらも抜き取る必要があるんです。
また、ウロコを包丁を使ってそぎ落とす作業もあります。
その場合ですが、骨を抜いた「にしん」を煮たてた番茶に入れ、弱火で約30分間ゆで、水にさらしてウロコを取りのぞく方法もあります。
なかなか手間がかかりますが、この下処理は身欠きニシンを美味しく調理するための大切な工程です。
身欠きニシンの調理方法(レシピ)
♦大根と身欠きニシンの煮物
材料
作り方
- 戻した身欠きニシンは一口大に切っておきます
- だし昆布は水でもどしておきます
- だし昆布のもどし汁も使います
- ショウガは薄くスライスしておきます
- 大根は皮をむいて半月大に切ります
- 大根は茹でておきます(できれば米のとぎ汁で)
- 大根ニシン昆布生姜昆布のだしを鍋に入れ砂糖と日本酒を加え中火で煮ます
- 大根が柔らかくなったら醤油を加えて落し蓋をし、10分くらい煮ます
- 火を止め味を染み込ませたら出来上がり♪
♦身欠きニシンの味噌和え
これは食べだしたら止まりません。
ご飯のお供でもおつまみでも、おやつにもいいですね。
わたしも子供のときからの大好物なんです!
ああ、食べたくなってきました~
材料
作り方
作り方というほど大げさなものではありませんがご紹介しますね。
まず、もどした身欠きニシンの皮を剥きます
身欠きニシン、お酒、味噌、調味料をいれてしんなりさせます。
ポイントとしては、お酒を入れ過ぎないこと。
臭みがでるので気持いれるといいでしょう。
我が家ではこれに細切りしたピーマンを入れて合えたものが人気レシピになっています。
♦もどさない身欠きニシン味噌
さきほどの身欠きニシン合えは火にかけませんでしたが、今度はコトコト煮るレシピを紹介しますね。
これなら日持ちもしますので、お弁当のおかずにもなります。
材料
作り方
- 身欠きニシンを特にもどさないで適宜食べやすい大きさに切ります。
- 鍋に水をいれ、切った身欠きニシンを入れます。
- このときに、水はひたひた程度。
- 中火で20分くらい煮ましょう。
- 灰汁が出るので丁寧に取り除きます。
- 煮汁を捨て水気を落とします。
- 調味料の味噌と砂糖、みりん、お酒をよく混ぜ合わせます。
- 身欠きニシンと調味料をよく混ぜ合わせ煮絡めたら出来上がり。
- 炊き立てごはんに乗せて食べるのがおススメ!
身欠きニシンは、味噌、ネギ、唐辛子、ワラビ、フキ、タケノコと相性バッチリなんですね。
北海道の日本海沿岸では大漁だった
かつてニシンは、北日本の沿岸部で春になるとニシンの白子(精子)で浜が白く染まるほど収穫されたと聞きます。
栄えたのは主に江戸時代で、ニシン漁で財をなした人たちが建てた御殿のことを、鰊御殿と呼びました。
水揚げされたニシンは、番屋で干物に加工され、内地(本州)に船で運び込まれました。
その売り上げが、蝦夷地開拓の資金源となったそうです。
内地に流通したニシンの干物は、上質なたんぱく源として重宝されました。
わたしも子供のときには、ニシンをよく食べた記憶があります。
ニシンの骨は細かくて細いので、喉に引っかかりやすい。
でも、子供時代はそんなことを気にもせずに、尾頭付きのニシンを食べていたものです。
大根おろしとよく似あって、炭火で焼いた脂でジュージュー音をたてているニシンをガブリと食べていたことを思い出します。
まとめ
今回は、
身欠きにしんってどうやって食べる?もどし方 下処理 調理方法は?
と題してお伝えしました。
よろしかったら是非、参考になさって、美味しい身欠きニシン料理をご堪能ください。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。